黒住教について

黒住教とは

黒住教(くろずみきょう)は、備前岡山藩の守護神社・今村宮の神官であった黒住宗忠(くろずみむねただ)(1780~1850)が、江戸時代(文化11年11月11日・西暦1814年)に開いた教派神道です。幕末三大新宗教に数えられ、神道十三派の草分けです。 死を覚悟するほどの病を克服した宗忠が、満34歳の誕生日であった冬至の日に、昇る朝日を拝む「日拝(にっぱい)」の最中に天啓を得て、天照大御神(あまてらすおおみかみ)と一体になるという「天命直授(てんめいじきじゅ)」の宗教的体験をして立教しました。その教えは、一切万物すべての親神が天照大御神で、その尊いはたらきの中であらゆるものが存在し、人は天照大御神の「分心(ぶんしん)」をいただいた神の子であるという世界観です。

御祭神
天照大御神  八百萬神  教祖宗忠神
教祖
黒住 宗忠 (1780-1850)
立教
文化11年(1814)11月11日
教主
黒住 宗道(七代)
教団成立
弘化3年(1846)
本部
岡山市尾上神道山
公称信者数
約30万人

黒住教の教義

黒住教では日の出を拝む「日拝」を最も大切な祈りとしています。感動と感謝の心で日の出を拝み、「まること」の精神をもって生きることに努めています。「まること」とは、黒住教独特の言葉で、「丸いこと(丸い状態と丸いはたらき)」を意味しています。「丸い状態」は、歪みや偏りのない調和のとれた状態であり、天地自然の元来の姿です。また、「丸いはたらき」とは、どのような動きや働きかけも決して一方通行ではなく、直接または間接的に返ってくる双方向性の循環の働きであることです。「まること」とは、こうした天地自然の摂理と一体になったことを指しています。

天命直授を通して、宗忠は「人は皆、天照大御神の分心をいただく神の子」という人間観を明らかにしました。これは、私たち人間は全ての命の親神である天照大御神の御魂をいただいて生まれてきた神の子である、ということです。
私たちを守り導いてくださる天照大御神に報恩感謝の真心を尽くして、私たちの真の心を、丸く、大きく、あたたかい、本来の姿に養い育てることが本当に生きるということです。“心なおしの道”である黒住教は、人生の開運の宗教であるとも言うことができます。

日本は日の丸をかかげ、太陽をお日様・お天道様と称え崇めてきた国ですが、そうした古代からの信仰の上に、宗忠は、太陽そのものを崇拝するというよりも、昇る朝日に顕現される万物を生み出す親神として天照大御神を感じとり、日拝によって感謝を捧げることの大切を説きました。そして、日の神の分心が人々の心の奥深くに鎮まり、全ての人が神になることができると教えました。

「この宗忠を師と慕うものを見殺しにはせぬ」と、教祖神・黒住宗忠は、今も悩める人、救いを求める人のためにおはたらきくださっています。天照大御神と一体となった教祖神に日々の感謝を捧げ、心から祈り、誠を尽くすとき、尊きご神徳のおかげは必ずいただけるのです。

現7代教主・黒住宗道は、教祖神の名代として、日夜、人のため社会のために祈り、まごころを尽くしています。夜明け前から始まる日拝は、一日も欠かすことなく続けられ、その祈りと奉仕の生活はひとえに教祖神の導きを願うすべての人々のためのものとなっています。
私たちは、一人でも多くの方が教祖神の教えにふれて、天照大御神のご神徳の中で生きる喜びに目覚め、開運の道を歩まれることを心から願っております。